成熟は、歳の話ではない。

DEAR TAILOR JOURNAL — 2026 AUTUMN / WINTER
成熟は、
歳の話ではない。
歳は、放っておいても重なります。
でも、成熟はそうはいかない。
経験が増えても、頑なになることはある。
立場が上がっても、自分を大きく見せたくなることはある。
若く見られたい気持ちだって、なくなるわけではありません。
だから私たちは、
「成熟」を年齢の話にはしたくありませんでした。
01 / GROWING OLDER
大人になれば、
迷わなくなるわけでもない。
若い頃より、知っていることは増える。
自分に似合うものも、似合わないものも分かってくる。
その一方で、
昔うまくいったやり方を捨てられなくなったり、
今さら失敗したくないと思ったりもする。
変わることが怖くなるのも、
年齢を重ねるということの一面だと思います。
若く見えることが悪いわけではない。
年相応に落ち着くことが正解でもない。
大事なのは、
今の自分に合わなくなったものを、
ちゃんと手放せるかどうか。
02 / FROM FADE TO NEW
変わることを考え、
自信について考えた。
DearBarberは、シーズンごとに
大人の男性と向き合いながらテーマを考えてきました。
「FADE TO NEW」では、変わることを。
「Quiet Confidence」では、
誰かに誇示しなくても持てる自信について考えました。
では、その自信はどこから生まれるのか。
2026AWは、そこから始まりました。
03 / EXPERIENCE
うまくいったことだけが、
人をつくるわけではない。
失敗したこと。
恥をかいたこと。
調子に乗ったこと。
間違えたこと。
勝ったこともあれば、負けたこともある。
何も起こらなかった普通の日もある。
そういう時間を全部通って、
少しずつ自分の加減が分かってくる。
何を見せるのか。
何を見せなくていいのか。
何を選ぶのか。
何をもう選ばないのか。
私たちは、
その判断に「成熟」が表れるのではないかと考えました。
04 / THREE EXPRESSIONS
だから、成熟を
ひとつにはしなかった。
私たちが考えた成熟は、三つあります。
飾らない成熟。
必要以上に、自分を大きく見せない。
力みのない成熟。
きちんとしていても、構えすぎない。
積み重ねた成熟。
過ごしてきた時間を、無理に消そうとしない。
どれか一つが正解なのではありません。
同じ人の中にも、
この三つは同時に存在するものだと思っています。
DEARBARBER 2026 AUTUMN / WINTER
足すより、
何を残すか。
若い頃のように、
あれこれ着飾るだけで格好がつくわけではない。
高いものを着ればいいわけでもない。
頑張るほど、かえって無理が見えることもある。
年齢を重ねるほど、
何を足すかより、
何をしないかのほうが難しくなる。
2026AW「成熟」は、
その難しさから考えたコレクションです。
成熟は、
完成することではない。
昔の自分にしがみつくのでもなく、
新しいものを追い続けるのでもない。
今の自分を見て、
違うと思えば、また選び直す。
歳を取ったから変えないのではなく、
歳を重ねたからこそ、変えられる。
私たちは、そんな大人を
格好いいと思っています。

